Vol.21 Cadillac PLACE 朝ドラのススメ Vol.21 Cadillac PLACE 朝ドラのススメ

January 20, 2019

牧場主が笑顔で守る26年変わらぬ美味を

Vol.21 朝ドラのススメ|GYUUYA

Text by

Taki Masashi

真の贅沢を宿すCadillac CTS

秩父の山間に、自ら育てた秩父牛の肉のみを出す牧場直営焼肉レストランがあるという。焼肉を楽しめるのは週末のランチだけで、価格設定が極めて良心的、肉は特に脂がうまい、と聞きCadillac CTSの鼻先を埼玉に向けてみた。秩父はいつ訪ねても面白い。秩父郡と秩父市を合わせても人口10万人ほどの山に囲まれた地でありながら、10月の特大ロケット花火を打ち上げる龍勢祭や、12月の秩父夜祭など独特の文化がある。近年は盆地に蓋する雲海も注目されていて、雲海見物には展望台真下に駐車場のある秩父ミューズパークがいい。ただし雲海出現には、雨上がりに晴れた無風の早朝がいいそうで、ベストシーズンは春か秋。いま見頃なのは氷瀑で、なかでも吊り橋から一望の尾ノ内氷柱(写真 右下)では2月いっぱい、毎土曜の日没から午後8時迄ライトアップを実施。6月まで楽しめるいちご狩りシーズンも、既に始まっている。

秩父周辺には、魅力的な日帰り温泉も点在している。氷瀑も温泉もそのアプローチには、少々山を分け入る要がある。そんなときCadillac CTSのAWDはとても心強い。深々踏み込めば2ℓターボエンジンとは思えないパワーをコントロールするのにも、薄氷を踏むかのように、勾配のついたタイトな山道を進むのにも、AWDの効能は大変大きかった。コントローラブルゆえ、全長4.97m、全幅1.84mのボディを一回り小さく感じることも度々だ。この効能は幅の狭い山道では、身に沁みてありがたい。

噂の焼肉レストラン『ぎゅうや』は秩父市の西隣、小鹿野町にあった。秩父からは長野に至る国道299号線と、山梨に抜ける国道140号線が走っているが、店はちょうどその間というロケーション。秩父市街からクルマで10km弱、15分ほどだ。黒を基調とした建物は「廃校のリユース?」と見間違うほど、どっしりとした構え。聞けば当地で坂本牧場を経営する坂本正男さん、幸枝さんご夫妻が26年前に米メイン州から取り寄せ建てたログハウスとのこと。どうりで堂々、のびのびと大きい。店内のつくりはいたってシンプルで、肉は、飛騨コンロに載せた陶板で炙るスタイル。「ここで出す肉は、すべて私が育てた牛のもの。だいたい2年かけ600kgほどに育ったら、出荷し外で精肉してもらっています。当然、一頭買いと同じことになるので、すべての部位が揃います」と、坂本さん。

それゆえ人気のサーロイン(冒頭の写真)などは真っ先に売り切れてしまう。訪ねたその日に、どの部位が残っているかは運次第だ。サーロインで1,600円、上ロースは1,400円、カルビは1.5人前で900円という価格設定で、これは開店以来26年間変えていない。「うちは牧場が本業だから。……美味しいって食べて貰えればうれしいから、値段は据え置いたままだね」と微笑む坂本さん。網元直営の海鮮食堂はよくあるが、牧場経営の……はあまり聞いたことがない。まして観光牧場ではなく、安心、安全、本気の 〝一頭出し〟 なのだ。ちなみにメニューに載っていない部位は? と尋ねればソーセージ(写真 左上)にしたり、自家消費したり、常連さんに出したり、なのだそうだ。『ぎゅうや』では看板やメニュー、壁の絵に至るまで、一見谷岡ヤスジ風の牛のイラスト(写真 右上)があふれている。親交のある地元作家、さもじろう氏の作品で、雰囲気がありとてもいい。念のためつけ加えれば、坂本ご夫妻の似顔絵では決してない。正男さんは映画 七人の侍で志村喬演ずる島田勘兵衛、幸枝さんは料理研究家の枝元なほみさんに、ちょっと似ている。

一番人気というサーロインを陶板で炙りいただけば、なるほど脂がいい。和牛とホルスタインの一代交雑種たる秩父牛らしく、赤身の歯応えがしっかりある。肉の健全さがひしひしと伝わってくる歯応えだ。発酵飼料を与え、ホルモン剤は使わず、1500坪の用地で約80頭を育てる坂本牧場ならではの滋味もある。融点が低く、室温ですら融けてしまう脂ゆえ、しつこさはない。
帰路、再びCadillac CTSのドライバーズシートに収まれば、瞬時にクルマに体が馴染んだ。適度なタイトさがなんとも心地良い。そういえばキャデラックはこうだった。かつてのエルドラドやセビルも、ボディサイズの割にキャビンはタイトで、それがより一層贅沢で艶めかしくあった。 〝建ぺい率いっぱい〟 よりも 〝建ぺい率10%以下〟 の家の方が断然ゴージャス、の原理だ。そういった心意気、匙加減を知る高級車は、実はブランドリメークものの多いラグジュアリーカーのなかで今や貴重だ。CTSの心地良さには、キャデラックの深き懐がある。それは、何ものにも代え難い。

  • Gyuuya ぎゅうや

    tel.0494-75-3798
    埼玉県秩父郡小鹿野町長留3544
    焼肉メニューは土・日・祝日の11:30~14:00 のみ。
    平日は11:00~15:00の間
    ランチメニュー(丼もの)のみの営業。

  • CADILLAC CTS

    アメリカン・ラグジュアリーの伝統を継承し、キャデラックの中核を担うミドルサイズ・ラグジュアリー・セダン。
    2ℓ DOHC インタークーラー ターボエンジン、8AT、10エアバッグを搭載。定評ある全輪駆動を採用している。
    全長×全幅×全高:4,970×1,840×1,465mm。
    ¥7,587,000(税込)

※「Cadillac PLACE」に掲載されている記事は、取材当時の内容です。お客様がご覧いただいた時点と情報が異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

 
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