Vol.28 Cadillac PLACE 朝ドラのススメ Vol.28 Cadillac PLACE 朝ドラのススメ

September 06, 2019

海峡のリストランテで阿波牛のタリアータを

Vol.28 朝ドラのススメ|Ristorante Fishbone

Text by

Taki Masashi

風格と俊足のCadillac CT6 プラチナム

神戸淡路鳴門自動車道を利用すると、関西と四国は拍子抜けするほど近い。兵庫県神戸市の山陽自動車道 神戸西ICから徳島県鳴門市の高松自動車道 鳴門ICまでは89km、その全線が4車線(垂水JCT – 淡路ICは6車線)化されている。ゆえにクルマでの所要時間は1時間余り。神戸から四国に向かい、まず最初に渡るのが明石海峡大橋(写真 右下)。竣工21年目を迎えた今でも世界最長の吊り橋で、船舶の往来も激しい海上を行く3.9kmは、大スペクタクル。そして四国へと渡れば海も空気も明らかに一変するのだが、そこは関西からのまがうことなき日帰りドライブ圏内だ。

モデルチェンジしたばかりのCadillac CT6プラチナムでその明石海峡大橋を渡るのは至福の体験だ。途中においてもV6 3.6ℓ自然吸気エンジンと10ATの組み合わせの妙にうっとりしたのだが、遙か眼下に海を見下ろしつつ空いた片道3車線の橋上を粛々行けば、まさにフライングカーペットのよう。それでいて前車の流れが詰まれば、車線を右に移しつつアクセルペダルのひと踏みで俊時に加速。250kw(340PS)の最高出力でありながら、全輪駆動システムにより何らためらうことなく意のまま操れ、とても全長5.23mのセダンとは思えない。車重は2tを切っており、CT6は風格を携えたドライバーズカーである。

その日は鳴門北ICからクルマで2分のリゾートにある『リストランテ フィッシュボーン』でランチをいただくことに。うず潮で名高い鳴門海峡に面しており海の幸には事欠かないうえ、阿波牛(時には阿讃高原牛)も楽しめると評判の 〝ランチ スペシャル〟 (5000円)が目当てだ。果たしてアンティパストの海の幸のカルパッチョ(写真 左下)は濃厚な味わいで、鳴門産鮑のヴァポーレ 香草ガーリックバターのソース(写真 右下)はまさに絶品。美味なる鳴門昆布を存分に食べて育ったのだろう、噛めば広がるむせぶような鮑の風味が強く印象に残った。

そして地元産渡り蟹バベッティーネ(断面が楕円形でやや細身のパスタ:写真左下)も素晴らしかった。夏のリゾートのリストランテらしく塩が存分に効いていて、その塩よりも蟹の複雑な旨味が勝っている。さらにメインの阿波牛のタリアータ(焼いた牛肉を切って盛り付けるシンプルな料理:冒頭の写真をご参照ください)が、いい。鳴門の潮にもまれた海の幸に負けず劣らずの旨味があり、脂がスッと口の中で消えていく。ああいま四国に居るのだ、と改めて実感できるコースだった。

『フィッシュボーン』は『リゾートホテルモアナコースト』の中にあるリストランテ。食後に客室も見せていただいた。ユニークなのは離れのヴィラ ベル トラモントに3室のみあるメゾネットスイート『ハリウッドツイン』で、1Fには半露天のジャグジーとリビングのみの部屋も(写真 右上)。そこは同伴でも13歳未満のご利用はご遠慮頂いているという、大人のリゾートである。

この『モアナコースト』、三十年程前にオーナーの芝野 光さんが一から作り上げ、今も独自に経営しているというから凄い。その芝野さん、相当なクルマ好きとしても知られており、同好の士の来訪が絶えないとか。近くには芝野さんが鳴門のニュル(ブルクリンク)と断言する鳴門スカイラインがあり、皆さんそこを必ず走るのだそうだ。そう聞いて、訪ねてみればそこはまさしく海辺、絶景のニュルだった。高低差のあるふたつの山頂を結ぶ四方見(しほうみ)橋(写真 左上)など、馬の背下りストレートのようで、大いに走り甲斐がある。

The Cadillacともいうべき、フラッグシップセダンたるCT6には独特の風格がある。そのエレガントで威厳に満ちたスタイルだけで満足しそうになるが、ステアリングを握ると驚くほど俊敏だ。とにかくスムーズ、滑らかで速い。旅先では全長5.23mのボディを持て余すかと思ったが、それも杞憂だった。リアビューカメラ、新世代サラウンドビジョン(100万画素デジタル360度カメラ)、リアオートマチックブレーキに守られ、狭いパーキングスペースへのアプローチさえスムーズだったからだ。

CT6でただひとつ悩ましかったのは、いかにも心地よさそうなリアシートの存在だ。左右席それぞれに専用の10インチディスプレイまで設けられている。ドライブ中、ジャケットを置こうとリアドアを開けその佇まいを眺め、果たしてこれはどちらが上座なのだろうと激しく悩んでしまった。ステアリングを握り走り出せば、やっぱりこっち(ドライバーズシート)が上座だな、と思えるが、それを忘れた頃、何かのついでにリアシートを見ると「……やっぱりこちらが上座かなぁ」と心が揺らぐ。考えてみればそんなクルマ、めったに無い。そのあたりもCT6の魅力なのだろうと、いつしか納得していた次第である。

  • Ristorante Fishbone
    リストランテ フィッシュボーン

    tel.088-687-2255
    徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦高砂186-16
    平日 11:30~15:00(14:00L.O.)
    土日祝 11:30~15:30(14:30L.O.)
    17:30~22:00(20:30L.O.)
    ランチコースは1,800円(税別)~、
    ディナーコースは4,500円(税別)~。
    1泊2食付き 16,806円(2名1室 1名分、税サ別)~。

  • CADILLAC CT6 SEDAN

    キャデラックの最上級セダン。
    フルサイズアメリカンSUV。
    全長5,230×全幅1,885×全高1,495mmのボディにV6 3,649ccエンジンを搭載。10ATと全輪駆動が組み合わされている。
    ¥10,260,000(税込)

※「Cadillac PLACE」に掲載されている記事は、取材当時の内容です。お客様がご覧いただいた時点と情報が異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

 
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    山に抱かれ南国土佐のあか牛を|Auberge Tosayama

    ちょっと高知までランチに、というドライブは近畿中国エリアのキャデラックオーナーにとってごく自然に思いつくプランだろう。本州と四国を結ぶ明石海峡大橋、瀬戸大橋、瀬戸内しまなみ海道の3ルートいずれかを使えば、自動車道を降りずに行けてしまう。 
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