Vol.32 Cadillac PLACE 朝ドラのススメ Vol.32 Cadillac PLACE 朝ドラのススメ

December 20, 2019

浜旦那気分で峠下牛を

Vol.32 朝ドラのススメ|NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町 ルアン

Text by

Taki Masashi

大人の風情を醸すエスカレード

安芸の小京都とも呼ばれる竹原に、この8月『NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町』がオープンした。町並み保存地区を成す3棟の歴史的建造物に設けられた全10室、それぞれに趣の異なる客室も好評だが、そのダイニング『レストラン ルアン』の評判がいい。同じ竹原市内に牛舎のある峠下(たおした)牛は和牛の王道的味わい。それがランチコースのメインでも選択できるという。

竹原は塩と酒の町だ。かつては製塩業が盛んで塩田のオーナーは浜旦那と呼ばれ、町は栄華を極めた。日照りの夏は製塩の繁忙期。一転、冬は人が余るので冬仕込みの酒造りを始めることに。あのNHK連続テレビ小説『マッサン』で生涯が描かれたニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝もここ出身でその生家、竹鶴酒造はすぐ近くに今もある。

峠下牛の他にも地産の塩と酒があり、瀬戸内の潮にもまれた魚も揚がるから、料理が不味かろうはずがない。それに加え製塩により富を得た浜旦那衆が客人に振る舞う魚飯(ぎょはん)と呼ばれる手の込んだもてなし料理の伝統もあり、がんらい食道楽の町なのだ。元料亭ならではの桜材を使った瀟洒な階段を上がり、ダイニング『ルアン』のテーブルにつくと、まざまざそれを思い知らされることとなった。

その日のランチコース、前菜は〝山海食材 冬の装い〟(写真 右上)。峠下牛のしぐれ煮、カボチャの鶏そぼろ煮等が小鉢に並んでいる。仏語の店名な割に和の趣き強めだが、神吉信輔シェフが立つ厨房は地産素材へのこだわりが徹底している。フレンチの枠や足枷がそこにはないようだ。

次の皿はヘンリー・ムーア作か、イサム・ノグチ作品か? 的なフォルム(写真 左上)。地元産大ぶりのデジマ芋を、竹炭入りの塩釜焼きにした一品で、しっとりとした甘さが印象的。そしてメインは、峠下牛のグリルを山椒のソースで(冒頭の写真をご参照ください)。口溶けの良い脂の甘み、豊潤な赤身という和牛の王道をいく峠下牛を素直に堪能。曜変天目(ようへんてんもく)を彷彿させる器といい、至福の一皿だ。その至福は地産素材のデザート(写真 右下)にも継承した。

食事を終え外に出れば、竹原の町はいまだ昭和の時を刻んでいた。鞆の浦や尾道など初めてでも懐かしい町は、広島の瀬戸内に多い。また竹原から呉港一角の大和ミュージアム(写真 左下)へは、クルマで1時間ほど。呉に行けばズシリとしたメロンパンで有名な『メロンパン本店』もある。

竹原の町に乗りつけたら、スクエア基調の格子や軒の連なりに、思いのほかエスカレードが馴染んだ。スポーツエディションのブラックアウトされたディティールは、黒漆喰の歴史的建造物同様の重厚感を醸しているし、ひと言でいえばとても大人っぽい。クルマ自体が独特の風情を携えており、日本的美観に馴染む様は旅先で誇らしい。

帰路、呉で買ったズシリと重いメロンパンをセンターコンソールの冷却ユニット付きキャビネットに収め、16スピーカーのBOSEサラウンドサウンドシステムでヴィルヘルム・ケンプのピアノソナタを楽しんだ。アクティブノイズキャンセレーションの恩恵は絶大で、繊細なケンプの独演にしばし没頭。何より広大なキャビンは理想的リスニングルームの趣で、今や貴重なV8エンジンの重厚なサウンドを自ら奏でながら、というのもエスカレードならではだ。帰路はちょっとした長距離ドライブで、シューベルトを弾くケンプのCD、7枚組を聴き通せたほど。それゆえか、意外なほど短く感じた。さらにもう一度1枚目、第21番から聴いてみようかとふと思い、そうしたほどだ。そんなクルマ、なかなか無い。

  • NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町
    レストラン ルアン

    tel.0120-210-289
    広島県竹原市本町1-4-16
    11:30~15:00(14:00L.O.)
    17:30~22:00(20:00L.O.)
    ディナーは予約制 無休
    ランチコースは2,800円(税別)~
    ディナーコースは5,000円(税サ別)~
    宿泊料金は30,000円(税サ別)~

  • CADILLAC ESCALADE SPORT EDITION

    フルサイズのラグジュアリーSUVを牽引するエスカレードに新たに設けられたブラックアウト仕様のスポーツエディション。
    全長 5,195×全幅 2,065×全高 1,910mmの堂々たるボディに、V8 6,153ccエンジンを搭載している。
    ¥14,160,000(税込)

 
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  • Vol.32 広島県竹原市
    浜旦那気分で峠下牛を|NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町 ルアン

    安芸の小京都とも呼ばれる竹原に、この8月『NIPPONIA HOTEL竹原製塩町』がオープンした。町並み保存地区を成す3棟の歴史的建造物に設けられた全10室、それぞれに趣の異なる客室も好評だが、そのダイニング『レストラン ルアン』の評判がいい。
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